春も桜もまだ燻っていた四月頭、私を育ててくれた吉田ひかるバレエ教室の舞台を踏むために、関西へと戻っていました。今回は先生の想いがあり、年明けから何回かお教室へ足を運び、生徒さん達に作品の振付指導を、またジャイロキネシスのクラスの時間をいただきました。
小学1年生から大人までクラシックバレエしか経験したことがない生徒さん達は、コンテンポラリーダンス、ジャイロキネシスといった真新しい世界に目をくりくり、かなり大変だったことと思います。毎回6時間にも渡るレッスン、リハーサルでしたが、全身で臆することなく吸収する姿に、私自身全く飽きることもなく指導することができましたし、こんなふうにいつの間にかあっと言う間に時間が過ぎてしまうほど楽しい環境で自分が育ったのだと、昔を振り返りながらその場におりました。
そんなお教室での初めてジャイロキネシスでしたが、毎回子供達と共に一緒に受けて下さっていた先生は私に尋ねてきました。
「さよちゃん、前から見て皆はどんな顔をしているの?私は思わず笑顔になってしまうんやけど、それでいいの?」
先生らしい質問だと感じたと同時に、それこそ私の原点だと思ったのです。
実際を、受けていた子供たちはそれぞれがとてもとても良い表情をしていました。
動く事が楽しくニコニコしてる子、奥深くも澄んで透き通るような表情をしている子、優しい笑みを噛み締めて動いている子。
無表情の子は誰一人としていませんでした。
私が指示するまでもなく、すっと踊るように表現するようにジャイロキネシスを受け入れ味わってくれました。
ここで育った私もこの生徒達も、心と体が喜び繋がる事を、この先生からいただいているのだと改めて思いました。
驚きがあれば驚く表情に、気持ちがよい時はすっと伸びる、そんな素直さが溢れた安心できる環境で育ち、またそれでいて挑戦する強さも持ち合わせる事も自然に教えてもらっていたのだと、そんな気がしました。
発表会本番、生徒達はクラシックバレエでも、初めてのコンテンポラリーダンスでも、緊張しながらも身体と心の全部で、踊る事が大好き!と、全身で表現をしていたと思います。
そんな姿を微笑ましく思いながら、この大切な”踊る心”を改めて自分の指針として、これからも多くの生徒さんやダンサーの皆さんに伝えていきたいと思いました。
私を育てて下さった先生、お教室の皆さん、大好きです。
心から感謝をしています。
そして、今回感じた事を今度は私から、MMKにいらしてくださる皆様へお伝えしていきたいと思います。