今年6月にMMK初の試みでホールを貸切り、【舞台マジックワークショップ】を行ったのですが、先日第二回目を今回はなんと1200席もある大劇場、中野ゼロホールで開催しました。無観客で非公開、人に見せる為の緊張や気負いの一切ない状態で、いかに舞台空間に身を委ねて自由になれるか、という、ある意味とても贅沢なワークショップです。
今回もまずは舞台上にみんなで寝っ転がってマリコメソッドからスタート。重力に身を委ね、呼吸や見える景色にフォーカスし、その場に存在すること自体を心地良く感じられる身体と心の状態で「舞台と仲良くなること」から始めました。
いわゆる本番となると、自身の身体の調整は勿論ですが、メイク、衣装、ライト、観客、、、様々に通常のお稽古とは違う環境からの緊張が必然的に生まれます。レベルやジャンルは関係なく、踊りの本質は自分自身を解放し、自己表現したい、という人間の欲求からだと思うのですが、なかなか人に見られる羞恥心や、ある意味の邪念(これもまた人間ならではな^^;)等がなく、舞台に存在できる機会はないものです。プロのダンサーであっても、自分に課された責任等やはりプレッシャーとの葛藤が起きるものですし、趣味のバレエの発表会においても本番となると、間違えないでうまく出来るかな?とか、みんなと揃うかな、等どうしても緊張が走るものだと思います。
第二回目は、新たに白鳥の湖4幕、ドンキホーテのセキディリアのパートを私が振付し、また、スタッフの島村トレーナー振付のコンテンポラリー作品(マリコメソッドの要素をふんだんに含めてくれました(^^))の一部も体験していただきました。参加者全員が集まれたリハーサルはなく、みなさんに「揃える」ということは全く課していなかったのですが、自分の存在&参加者どおしお互いが感じ合い舞台に存在していることで、息ぴったり、音楽的で、今回も素敵な舞台マジックが起こりました✨
実際心身がその「領域」になると、引き上げやターンアウトが自然と掴んでいただけたり、足も苦もなく上げられて綺麗なラインになっていて、私としても感動と手ごたえありありの時間となりました。
真の身体と心の軸は、レオナルドダビンチの世界のように円、球体の中での自分を感じられた時=舞台空間を丸く感じられた時にそれが起きるのだと思います。
マリコメソッド的視点なのですが、無観客であえて照明を入れず視覚的にも空間をクリアに見える状態にすると、舞台上から客席への景色は丸く見えて来ます。現役の頃の身体の記憶を辿ると、丸く見えている時が自由に思うがままに踊れた時。それは「重力の法則や人間の心身の構造に争うことなく調和がとれた瞬間なはず!」という私の確信を、実際舞台上で発表するわけではないからこそ、それぞれ『お試し』し、『感じてみる』という純粋なチャレンジに徹していただける、私にとっても貴重で特別な体験となっています。
今回初チャレンジの方々、前に立って踊ってくれたバレエ団所属のダンサーの方々、2回目を楽しみにしてくださっていた参加者の方々、年齢(20代〜60代)や舞台経験値も様々でしたが、どの方にも、まさに【舞台マジック✨】が起きた時間となりました。実際にワークショップ後にスタジオにレッスンにいらした時には、身体の使い方が画期的に良くならていらっしゃるので、私自身もやはり舞台マジックは凄い!と改めて感謝、感動しています。またmmk以外のスタジオでのリハーサルに戻ったダンサーさん達も、見えたり感じたりするものに変化が起きている!踊るのがこれからが更に楽しみ というような報告をいただけて嬉しい限りです。
こんなふうに舞台を使うって我ながら…^^;と思いますが、2回目も、幸せと癒しを生み出せたスペシャルな時間となり大満足でした。次回は来年の6月14日(土)を予定しています。またその頃までにどんな流れでどんな作品ができるのか、私自身も自然の流れに争わず、気合いを入れずに行きたいと思っています。
踊りが、全ての人にとって、癒しと幸せに溢れたマジック✨でありますように♡