先日、長野で私のバレエの恩師である倉島照代先生が主催された、
第二回長野全国バレエコンクールで審査員をさせて頂きました。
コンクールは小学校1,2年生の部から始まり、高校生以上まで全5部門での審査となりました。
私が初めてコンクールに挑戦したのは小学3年生。
それ以来、舞台に立ちたいがために毎年のようにコンクールに出場したのを思い出しました。
バレエで点数をつけることは、審査員にとってもとても難しいことです。
コンクールで目標を持ってお稽古することはとても良いことですし、私自身もそうやって育ちました。
でも、競争になってしまうと表現ということからは離れてしまいます。
表現、表情が自然で音楽性を感じられる踊りがやはり見ていて心地いいですし、私は好きです。
バレエの場合、テクニックをつけるための厳しい練習はある程度必須ではあるかもしれませんが、自然にあふれ出てくるその子らしさを引き出せる教師でいたいなと思います。
踊りにはやっぱり音楽に溶けてしまうような一体感が見たいですね。
ジャイロトニックで呼吸の大切さを改めて実感していますが、
呼吸と動きが一つになった時、頑張らなくてもマジックが生まれます。
もっと自然な流れるようなリズムが体から生まれるんです。
以前、緊張気味だと感じて本当に舞台で歌を歌いながら踊ったことがありました。
ふざけていたんではなくて。(笑)
音楽とリズムって一番大切なものなのに、テクニックについつい気をとらわれてしまうんですね。
バレエだけでなく何事も、そうですね。
ついつい大切なものが見えなくなってしまう。
真の表現は、もっと穏やかな所から来るはずなんですよね。
バレエの爪先に立つあの感覚には、本当に研ぎ澄まされた緊張感がありますが、
それでいていかに自由になれるか。
その緊張と解放のバランスをとるのに練習を重ねるわけですが、
シンプルに呼吸と音楽を忘れないようにしましょう。
鏡で見た自分の体のラインやポジションの荒探しではなく、
1つのムーブメントとして自分の体を意識出来るようになりたいですね。
それは、頭ではなくて感覚なんですよね。
プラス人間には欲もあるから、よけいにシンプルに感覚に戻すことが難しいんですが。
目指すのは「True Expression」
そのためのお手伝いが少しでも出来たらと思っています。